LIFE LOG(はいいろ妄想日記)

はいいろ妄想日記

アイドル楽曲を中心とした多分に妄想を含んだ音楽ブログ

【漢の人生】ZEEBRA『Street Dreams』レビュー

ZEEBRA『Street Dreams』

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日本語ラップのアンセム・オブ・アンセム

ミスチルからの“韻”繋がりということで、日本語ラップ界No.1 MC・ZEEBRAを紹介します。

 

 

HIP HOPに明るくない方にV系で例えると、HIP HOP界のYOSHIKI的な立場の人です。YOSHIKIがX JAPANとして日本人へ後にV系と呼ばれる表現を広めたように、ZEEBRAはキングギドラというグループで日本語ラップを広く伝えました。

 

 

そんなZEEBRAの代表曲であり、日本語ラップの代表曲が「Street Dreams」です。

 

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『Street Dreams』ジャケット

 

ZEEBRAが著書で「この曲のリリック(HIP HOPの歌詞のこと)を書いている時は涙が止まらなかった」と語っている通り、特に思い入れが込められています。

 

 

1~3番でそれぞれ歌っている内容が異なり、1番では「自分の半生」、2番では「ヒップホップファン(通称:ヘッズ)への感謝」、3番では「元ヒップホッパー(友人)へのメッセージ」という構成になっています。

 

 

めちゃくちゃ複雑な韻を踏めるZEEBRAですが、この曲ではメッセージを優先するためにシンプルな韻をケツで踏んでいく手法(脚韻)を多用しています。

 

 

 

“成り上がり”を綴るバース1

1番

ただ マイク握りたくて

夜な夜なブラザー達かき分けて
あれは1990 やたらとファンキー

だけれどもただのパンピー

 

まだ何者でもなかったZEEBRAが、六本木のクラブで黒人達に紛れながらラップをしていた当時を回想するシーンから始まります。

 

 

ロックと同じくラップも欧米から入ってきたものであり、ロック同様に日本語でラップなんて出来る訳がないと考えられていました。

 

 

 

特に、ラップは、“韻を踏む”音楽です。

 

 

 

英語は構造上「~er」「~ful」「~ing」など、言葉として韻を踏みやすい作りになっていますが、日本語はそうはいきません。そんな状況を打破して、日本語ラップを社会現象にまで押し上げた立役者がキングギドラであり、ZEEBRAだったのです。

 

 

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キングギドラ


ヒップホップの文化として「ボースティング」というものがあり、“いかに自分がすごいのか” “いかに自分がカッコいいのか”など、自分自慢をするというものがあります。

 

 

 

その頂点がサビのフレーズだと思います。

 

 

サビ

俺がNo.1 ヒップホップドリーム
不可能を可能にした日本人

 

 

“リアル”なのかどうかがカッコよさの判断基準となっているヒップホップの中で、誰も否定できない完全なる事実であり、それを本人が高らかに歌うというこれ以上ない至高のフレーズだと思います。

 

 

また、「ヒップホップドリーム」と「日本人」で韻を踏むというところがグッとくるじゃないですか。

 

 

本来同一になるはずがないと考えられていた「ヒップホップ」と「日本」、「ヒップホップドリーム」と「日本人」が“韻”というツールを通して繋がるというね。そして、それを実際に繋げた男本人が歌うというね。

 

 

 

これ以上のボースティングは無いです。

 

 

 

2番ではかなり固有名詞やスラング的なワードが出てくるので少し解説します。

 

 

 

 

 市民権を得た日本のヒップホップ

2番

Verse2 送るぜヒップホップクルー

俺らガッチリ掴んだぜ日本中
思い出すぜあの 土砂降りの野音

皇居まで響かせた爆音

 

「Verse2」の「バース」っていうのは“ラップのまとまり”のことで、バース2なので簡単に言うと2番ってことです。

 

 

「土砂降りの野音」っていうのは、1996年に日比谷野外音楽堂で開催された日本初の大規模会場でのヒップホップイベント「さんピンCAMP」のことです。

 

 

日本語ラップが一大ムーブメントとなったことの象徴となる伝説的なイベントで、この後の歌詞で出てくる<雷 ライムスター ブッダブランド>も、それぞれこのイベントに参加したヒップホップグループの名称です。

 
さんぴんCAMPの様子

www.youtube.com

 

 


人生をヒップホップに捧げる漢の歌

こんな熱狂の中心人物が、この熱狂の約10年後に出した曲で<俺のこの人生で証明するぜ> <あきらめた奴らの分も走るぜ>と歌ってくれるというね…。

 

 

そして、風営法の改正に尽力したり、フリースタイルダンジョンに出演したり、ヒップホップ専門ラジオ放送局を作ったりと、ヒップホップを広める活動を今でもしっかり行っているというね…。

 

 

 

メロディがないからこそ自然に色々な言葉を詰め込める、様々なストーリーを紡げる、それがラップであり、ヒップホップです。

 

 

 

 

 

どうですか、ヒップホップ。